南西諸島西端に位置する魚釣島、北小島、南小島、久場島(黄尾しょ)、大正島(赤尾しょ)、沖の北岩、沖の南岩、飛瀬からなる島々の総称。総面積6.3km2。日本は、1895年1月14日の閣議決定で沖縄県に編入した。1952年のサンフランシスコ平和条約で日本は、「台湾及び澎湖諸島」を放棄したが、尖閣諸島は、下関条約で日本が清国から割譲を受けた台湾や澎湖諸島に含まれていないので、依然として日本領土であるという立場を取っており、72年の沖縄返還以後、継続して日本が実効支配している。中国は、台湾もともに、尖閣諸島は中国領土であると主張しているが、両者が領有権を主張するようになったのは、68~69年のECAFE(アジア極東経済委員会)の調査によって、周辺に豊富な石油資源の存在する可能性が明らかにされてからのことである。96年には、国連海洋法条約に関連して、排他的経済水域設定の問題が起こり、また日本の一部団体が尖閣諸島に灯台を設営しようとしたことに抗議する運動が香港および台湾で激化し、船をチャーターして尖閣諸島に上陸しようとする事件が起こった。2002年4月政府は魚釣島など3島の民有地を所有者から借り上げた。国内諸団体の動きに政府自らが直接対処するための措置とみられる。しかし、03年1月、この事実が報道されると、中国は日本が領有をさらに固定化させる動きとみて抗議した。