1989年、オーストラリアのホーク首相がアジア太平洋地域の協議システムの創設を提唱して発足した会議。第1回閣僚会議は同年11月にキャンベラで行われた。発足当初はASEAN6カ国(インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、マレイシア)、韓国、ニュー・ジーランド、オーストラリア、カナダ、アメリカ、日本の12カ国のメンバーで構成。 91年にソウルで開かれた第3回閣僚会議では、マレーシアが貿易ブロック的性格をもつ東アジア経済協議体(EAEC)構想を打ち出し、政治的にも注目を集めた。92年の第4回閣僚会議ではシンガポールに事務局を設置することを決定、同時に予算制度(APEC基金)の創設が合意された。93年のシアトルで初の首脳会議が開かれ、アジア太平洋地域での貿易自由化促進で合意、94年のインドネシア・ボゴールでは2020年(先進経済は10年)までに域内の貿易自由化を達成するという宣言(ボゴール宣言)を採択した。1995年は日本が議長国となり、11月から大阪で第7回閣僚会議、非公式首脳会議が開催された。97年はカナダのバンクーバーで一連の会議を開催、新たにロシア、ペルー、ベトナムの3カ国が98年のクアラルンプール会議から加盟することを決定した。2001年は中国・上海市で開催され、首脳会議では、テロの撲滅に向けた「反テロ声明」と、貿易円滑化の推進を目指す上海アコード(合意)を採択。02年は中南米諸国で初めてメキシコが議長を務め、各種の会合が同国で開催された。03年タイ、04年チリ、05年韓国、06年ベトナム、07年オーストラリアが議長国。現在のAPECメンバー は、ASEAN(インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、マレイシア、べトナム)、アメリカ、カナダ、メキシコ、チリ、ペルー、オーストラリア、ニュー・ジーランド、パプア・ニューギニア、ロシア、韓国、中国、香港、台湾、日本の 21カ国・地域。