1951年に署名成立した旧日米安保条約を引き継いだ現行の日米安保条約は正式には、「日本国とアメリカ合衆国との相互協力及び安全保障の条約」(Treaty of Mutual Cooperation and Security between Japan and the United States of America)と呼ばれ、60年1月19日、ワシントンで署名され、同年6月23日発効した。条約の骨子は、(1)平和維持のための努力、(2)経済的協力の促進、(3)防衛力の維持・発展、(4)随時協議、(5)共同防衛、(6)基地の供与、(7)国連憲章との関係、(8)批准、(9)旧条約の失効、(10)新条約の存続期間、など10カ条から成る。新条約は旧条約に比し、(1)国連との関係の明確化、(2)日米両国の防衛義務の明確化、(3)事前協議事項の挿入、(4)日米の政治経済上の協力明記、(5)期限(10年間継続後は自動延長)、の諸点が改善されたが、国会では相互援助が双務的になり、アジアに緊張感を生む原因になりかねないとして反対が強かった。当時の岸内閣は5月19日に衆議院で強行採決、6月19日の参議院における自然成立を待って成立させた。同条約は70年以降自動延長されている。冷戦後の情勢変化の中でも日米安全保障条約が重要であるとの認識は、日米双方の政府ともに共有しており、96年4月の日米安全保障宣言で公式に確認された。