2003年12月11~12日に東京で開催された、日本とASEAN10カ国の首脳が参加した会議。これまでも日・ASEAN首脳会議は、1977年、87年に開催され、97年以降は、ASEAN+3首脳会議に合わせて毎年開催されてきた。しかし、いずれも東南アジアにおいてASEAN首脳会議の開催される場所で行われてきた。2003年は、東京で初めて首脳会議が開催され、1年を通じて行われた日本ASEAN交流年を締めくくる会議であった。会議では、「新千年期における躍動的で永続的な日本とASEANのパートナーシップのための東京宣言」と「日本ASEAN行動計画」に首脳が調印した。また、東南アジア友好協力条約の締結の意図を日本が表明し、ASEAN首脳がこれに同意する宣言に署名した。「東京宣言」は、日本とASEANの関係の基本原則として「法の支配」「人権及び基本的自由の擁護と促進」「公正で民主的な環境」「アジアの伝統と価値観の重要性」を確認した文書であり、包括的経済連携の更なる推進、東アジア・コミュニティー創造等を規定するものであった。これまで日本は02年1月に小泉純一郎首相が日・ASEAN包括的経済連携構想を提唱し、同年11月に同構想に関する共同宣言をASEANと合意しているが、03年はさらに、タイ、フィリピン、マレーシアとの自由貿易を含む経済連携協定のための交渉開始が合意された。ASEANとの連携をめぐって、中国が積極的になるなか、日本のリーダーシップを表明しようとする意図をもって実現されたのがこの日・ASEAN特別首脳会議であった。