2013年1月28日の所信表明演説で、安倍晋三首相は、「外交は、単に周辺諸国との2国間関係だけを見詰めるのではなく、地球儀を眺めるように、世界全体を俯瞰(ふかん)して、戦略的な外交を展開していくのが基本であります」と語った。多角的で戦略的、そして自由や民主主義、人権といった価値観の共有を軸にした外交である。安倍首相は月に一度の外遊を自らに課し、13年には25カ国を歴訪した。この背景には、日本の国力が相対的に低下する中で、中国の台頭が著しく、また、発展途上国も勢いを増していることが指摘できよう。ただし、この地球儀外交が中国を刺激し、日中関係をさらに悪化させるとの批判もある。また、13年度の首相や外相の外遊予算は年度末までに払底し、例外措置として1億5000万円が追加された。