政府は2003年10月、同年11月で期限が切れるテロ対策特別措置法の2年延長などの改正案を国会に提出、同法案は可決成立した。米国の同時多発テロを受けた米軍などの軍事行動を支援するためのテロ特措法、在日米軍基地などを自衛隊が守る「警護出動」や秘密漏洩(ろうえい)の罰則強化を盛り込んだ改正自衛隊法、不審船への船体射撃の要件を緩和した改正海上保安庁法は、01年10月29日の国会で成立。同年11月16日の臨時閣議で、テロ特措法に基づく米軍支援・アフガニスタン難民救援のための自衛隊派遣の基本計画を決定、米軍支援は期間6カ月(1380人以内、艦船5隻以内、航空機8機以内)、難民救援は同年末まで(120人以内、艦船2隻以内)とされた。基本計画は、02年5月(期間の6カ月延長)、02年11月(期間の6カ月延長、輸送艦と護衛艦による3カ月間、1回の輸送を追加)、03年5月(期間の6カ月延長)に変更された。当初から派遣が検討された高度の情報収集能力を持つイージス艦は、「米海軍のイージス艦との情報共有が武力行使との一体化になりかねない」など政府・与党内からの慎重論でいったん断念ののち、02年12月に「きりしま」、続いて「こんごう」を派遣。しかし、北朝鮮の弾道ミサイルへの備えが手薄になるなどの理由で03年8月に撤収、通常型護衛艦と交代した。米英10カ国などへの燃料補給(01年12月4日~04年5月31日)は379回(35万7000kl)。インド洋を通過する米艦艇がイラク戦争と対テロ戦争を兼務していたため、イラク戦争参加艦艇への燃料補給疑惑が浮上した。野党が多数を制する参議院の反対で、07年11月1日に同法は失効し、海上自衛隊はいったんインド洋から撤収することになった。給油・給水に限定した1年を期限とする「新テロ特措法」が、参議院の否決ののち衆議院による3分の2以上の再可決で、08年1月に成立した。同法に基づいて米軍に補給された石油の一部がイラク戦争に転用されているとの批判が、野党やメディアの一部から起こった。07年11月同法が失効するのを受けて、政府は10月に給油活動に限定した新法案を提出したが、08年1月に参議院で野党の多数により否決され、衆議院で3分の2以上の賛成により成立した。この間、旧法の失効により、海上自衛隊は一時インド洋から撤収した。