旧来の統合幕僚会議は、陸海空自衛隊の統合運用につき専門的立場から防衛庁長官を補佐するための合議制機関。統合幕僚会議議長と陸海空幕僚長の4人で構成。統合した防衛計画、後方補給計画、訓練計画の作成、各幕僚監部の防衛計画、後方補給計画、訓練計画の調整、出動時の指揮命令の統合調整などを任務とし、4人全員の合意が原則。権限、予算、人事とも弱体で、組織機能は低かった。1998年4月、有事に限られた統幕議長の指揮権を平時に拡大、(1)大規模災害などの際にも防衛庁長官を補佐して統合調整に当たる権限を与える、(2)編成される統合部隊に対する長官の指揮は統幕議長を通じて行い、関連する命令は統幕議長が執行する、(3)統合警備計画の作成、各幕僚監部が作成する警備計画の調整を行う、など防衛庁設置法が一部改正された。防衛庁は2002年12月、「『統合運用に関する検討』成果報告書」を発表、新たに統合幕僚長の下に統合幕僚監部を置き、部隊運用の権限を集中させるなどの方針を明らかにした。これを受けて統合幕僚会議は06年3月に、統合幕僚監部に改組された。統合幕僚長は部隊運用の責任者(フォースユーザー)、陸海空の各幕僚長は運用以外の人事・教育・訓練などの責任者(フォースプロバイダー)と位置づけられている。また、自衛隊と米軍との統合運用も進められている。