防衛省が「日本の防衛」として公表する年次報告書。1970年に第1回が刊行され、76年から毎年刊行されている。2005年版から巻頭にダイジェストを掲載している。06年版の刊行直前に北朝鮮によるミサイル連射があったが、新たな分析には乏しかった。中国の軍事力増強については、08年版で新たに航空機・船舶の活動の活発化や範囲の拡大を集中的に分析し、中国に透明性を求めている。また、旧防衛施設庁の官製談合事件や海上自衛官の薬物使用による逮捕、インターネットによる情報流出など不祥事が続発したことから、「国民の信頼回復に向けた取り組み」という一節を新設した。09年版で35回目の発行となった。09年版では、中国の軍事近代化や海洋進出、ソマリア・アデン湾での海賊対策、イラク、インド洋での国際平和協力活動の総括などが紹介されている。また、防衛知識の普及のため、近年ではまんがによる防衛白書も出版されている。