政府は「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を2007年4月に発足させた。座長の柳井俊二元駐米大使などメンバーは13人である。この懇談会では特に、集団的自衛権の行使に関する四つの類型を事例研究することになった。(1)共同訓練などで、公海上で行動を共にする米艦船への攻撃に対する反撃、(2)米国に向かう弾道ミサイルの迎撃、(3)国連平和維持活動(PKO)に参加する他国の部隊への攻撃への警護、(4)PKOに参加する他国への後方支援、である。だが、07年7月の参議院選挙での自民党の大敗と安倍晋三首相の辞任により、懇談会の議論に対する政治的関心は低下。また、上述の(3)と(4)は、そもそも集団的自衛権の行使には該当しない、という意見もある。12年12月の政権交代で安倍内閣が再び発足したことから、見直しが現実化すると見る向きもある。