航空自衛隊の田母神俊雄幕僚長(当時)が「日本は侵略国家であったのか」と題する文章を、アパグループの懸賞論文に応募して、2008年10月に最優秀賞に選ばれたことで、その内容が政府統一見解から大幅に乖離(かいり)していることや、応募に際しての省内手続きの不備などから、11月に幕僚長を解任された。田母神氏はその後退官し、野党の要請で参議院外交防衛委員会に参考人として招致された。文民統制(シビリアン・コントロール)や自衛隊の教育、自衛官の言論・思想の自由の観点などから、様々な議論を呼んだが、田母神氏の文章の内容は、「根拠となる事実関係が誤認だらけ」との専門家の指摘もあり、歴史実証に耐えるものではない。その後、同氏は日本の核武装の可能性や在日米軍の撤収なども提唱している。