装備品への適用という観点から着目される独創的な研究を発掘し、将来有望な研究を育成するために、大学、独立行政法人の研究機関や企業等の研究を支援する防衛省の制度。競争的資金制度であり、防衛省が掲げた研究テーマについて広く外部から技術提案を公募する。2016年度は44件(大学等23件、公的研究機関11件、企業等10件)の応募があり、「軽量かつ環境低負荷な熱電材料によるフェイルセーフ熱電池の開発」(東京理科大学)、「マイクロバブルの乱流境界層中への混入による摩擦抵抗の低減」(北海道大学)、「海中での長距離・大容量伝送が可能な小型・広帯域海中アンテナの研究」(日本電気株式会社)など10件の研究課題が採択された。得られた成果は、防衛省が行う研究開発フェーズとともにデュアルユースとして、委託先を通じて民生分野で活用されることが期待されている。ただ、学界からは、本制度が科学者を軍事研究に巻き込み、人類全体の平和的かつ持続的な発展のための営みであるべき科学・技術のあり方を変容させることになる恐れがあるという批判の声も上がっている。