沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告(1996年12月)に盛り込まれた土地返還事業の一つで、2016年12月末に実現。沖縄県に所在する在日米軍施設・区域のなかで最大の面積(約7500ヘクタール)をもつ北部訓練場の約53%、およそ4000ヘクタールが返還された。02年返還を目途としたSACOの勧告に基づき、1999年4月の日米合同委員会では返還区域にある7カ所のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を残余の部分に移設した後に返還することが合意されたが、環境調査、環境影響評価図書の公表・閲覧を経てヘリパッドが着工されたのは2007年であった。この間、新規ヘリパッドは7カ所から6カ所へ、造成規模も直径75メートルから45メートルに縮小することが合意されている。ヘリパッドの移設については当初より、環境保護などの観点から移設見直しの声があった。さらにオスプレイをめぐる問題も移設への抵抗を大きくし、16年7月からの工事では警察と反対派市民との間で連日もみ合いが続いた。