内閣の正式の意思決定機関。その構成員は内閣総理大臣、各省大臣、国務大臣で、内閣総理大臣が主宰する。閣僚が海外出張や病気の場合には副大臣が代わりに出席できることとなった。閣議は通常、毎週火曜日と金曜日の午前10時から総理大臣官邸4階にある閣議室で、国会の会期中は、国会議事堂内にある閣議室で午前9時から開催される。これが定例閣議で、30分前後で終了する。テレビや新聞などで、総理大臣を中心に閣僚が左右に着席している場面が閣議として放映されるが、それは閣議前の閣僚応接室の風景を映したものである。閣議室の中央には大きな楕円形のテーブルが置かれ、総理大臣の脇に内閣官房長官が着席し、以下各省の建制順(大臣庁については50音順)に閣僚が座る。閣議には閣僚のほか内閣法制局長官と官房副長官(3人)が脇に置かれたテーブルに陪席する。閣議では内閣官房長官が進行係を務める。法律案や政令案については内閣法制局長官が、それ以外の一般案件については官房副長官(事務)が説明し、それを受けて閣僚の審議がなされる。もっとも通常の閣議では閣僚は後述する閣議書の署名にほとんどの時間を費やすといわれている。その結果は閣議決定、閣議了解、閣議報告として原則として全会一致で処理される。閣議決定は、内閣の意思決定そのものであり、当該案件に関する閣議書に閣僚が署名したあと最後に総理大臣が署名することで初めて正式のものとなる。また、閣議了解は、その案件が本来は主任の大臣の権限に属するものであるものの、事柄の重要性から閣議構成員の意見を聞くことが適当とされる案件についてなされ、閣議報告は、白書や重要な審議会の答申を閣議に報告する際に使われる。内閣の最高意思決定機関として閣議の内容は機密にわたるために、閣議の議事ならびにそこでの閣僚の発言は秘密とされ、議事録もとられないが、決定された事項については閣議後の記者会見などで内閣官房長官から公表されるのが慣例となっており、現在では首相官邸ホームページで見ることができるようになっている。閣議はここに記した定例閣議が原則であるが、緊急を要する案件を処理するために定例日以外に開催される臨時閣議のほか、迅速な処理が必要とされるものの、わざわざ閣僚の討議の必要もない定型的な案件について内閣官房の職員が閣議書を持ち回り、閣僚の署名を求める持ち回り閣議という便法もある。