内閣官房副長官(事務)を補佐する職務であるが、出身省庁が固定している3人の内閣官房副長官補が、それぞれの決まった分野における調整活動を展開する。これは2001年の行政改革に伴い、内閣内政審議室長、内閣外政審議室長、内閣安全保障・危機管理室長が、それぞれ副長官補となった経緯を引き継いでいるからである。職務の中心は、それぞれの副長官補が、各省から出てきている内閣審議官や内閣参事官なども使って行う省庁間の政策調整である。これは省庁間で解決がつかない問題を受け身で調整するのが基本であるが、近年は内閣官房に多数おかれた調整組織に関する業務を処理することも多くなっている。さらに、外交・安全保障問題に関しては、国家安全保障局の設置に伴い、外政担当と安全保障・危機管理担当の副長官補がその次長となって、活動が一体化する傾向にある。ただ、内政担当(財務省出身)と外政担当(外務省出身)の副長官補が協力して、内政・外交にまたがる問題を調整する機能は、依然として重要である。