皇室に関する事務をつかさどるために、宮内庁法によって内閣府の外局として設置されている行政官庁。明治憲法体制における皇室の事務一切について輔弼(ほひつ)する宮内大臣の下に置かれた宮内省を終戦直後に整理したのち、1947年の日本国憲法の施行とともに規模を縮小して設置された宮内府を起源とし、49年の総理府設置にともなって宮内庁となった。宮内庁長官、侍従長、東宮大夫など特別職の職員の下、天皇皇后の世話をする侍従職、皇太子皇太子妃の世話をする東宮職、儀式のことを総括する式部職と、事務処理を担当する長官官房の各課のほか、書陵部、管理部、地方事務所等から構成され、職員は1000人程度である。なお予定されている天皇退位に伴い、上皇職や皇嗣職などの設置方針が決まっている。