TPP(環太平洋パートナーシップ)交渉のために、2013年4月に内閣官房に設置された組織。のちにTPP大筋合意を受けて、15年に総合的対策をとるためにTPP等総合対策本部の事務局となり、17年にはTPP等政府対策本部と名称が変更された。外務省を中心に各省庁が協力していたそれまでの交渉方式を変え、多面的なTPP交渉を強力に進めるために、内閣官房で実質的に交渉を取り仕切るための組織で、安倍内閣の官邸主導を象徴する事例である。外務省から首席交渉官、農水省から首席交渉官代理、前内閣官房副長官補(内政担当)を国内調整総括官に任命し、国際交渉と国内調整を同時に進める体制として、成果を上げた。