婚姻、つまり法律婚(法律上の結婚)をする自由のこと。憲法24条は、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する、と定めている。婚姻の自由には、民法や戸籍法などの定める制度を利用する自由としての側面があるが、民法は、重婚を禁止したり、近親婚や未成年者の婚姻を制限したりして、婚姻の自由に制限を設けている。最高裁判所は、女性にのみ6カ月間再婚を禁止する民法の規定について、生まれた子の父として前夫と後夫の両方が推定されることを避けるという目的は正当だが、100日を超えて再婚を制限することは行き過ぎで許されないと判断した。他方、夫婦が同一の氏(姓)を称するよう求める規定は、婚姻の自由を直接的に制限するものではなく、選択的夫婦別姓制度を採用するかどうかは国会で議論すべきものとした(2015年12月16日大法廷判決)。日本では法律上の婚姻届を提出しない、事実婚が増えており、さらに世界的には同性婚やパートナーシップ制度なども広まっている。時代の変化に合わせて、婚姻の自由をより強める方向での制度の見直しが求められている。