平和研究は1950年代末ころに、核戦争による人類破滅の危険を痛感した学者により始められ、初期の研究は核戦争の廃絶が中心で、戦争のない状態を平和とみなす概念が受け入れられていた。その後、社会正義の実現を目指す積極的平和(→「平和」)の研究が拡大している。主要な研究組織としては、65年にオランダで発足した国際平和研究学会(IPRA)や63年にアメリカで設立された国際平和科学協会(PSSI)があり、研究機関としては、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)、国際戦略研究所(IISS)、国連軍縮研究所(UNIDIR)、モントレー国際大学不拡散研究センターなど多く存在する。日本では日本平和学会が73年に、日本軍縮学会が2009年に創設され、研究機関としては日本国際問題研究所、広島市立大学広島平和研究所、世界平和研究所、平和・安全保障研究所、長崎大学核兵器廃絶研究センターなどがある。