オバマ大統領は2009年4月5日にチェコのプラハにおいて、21世紀における核兵器の将来について演説し、核兵器のない世界における平和と安全保障を追求するというアメリカのコミットメントを、明確にかつ確信をもって述べた。またアメリカは、核兵器を使用した唯一の国として、行動する道義的責任があると述べ、核兵器のない世界に向けて具体的措置をとるとして、国家安全保障戦略における核兵器の役割を低下させ、ロシアと新たな戦略兵器削減条約に合意し、包括的核実験禁止条約(CTBT)のアメリカによる批准と検証可能な兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の作成を追求すると述べた。これらの核軍縮措置と並んで、オバマ大統領は、核不拡散条約(NPT)を強化する諸措置および核テロリズムに対応する諸措置についても具体的な措置の早期の実施を約束した。09年9月には、オバマ大統領のイニシアチブで核不拡散・核軍縮に関する初めての国連安保理サミットが開催され、決議1887が全会一致で採択された。そこでも、より安全な世界を求め、核兵器のない世界の諸条件を構築することの決意が表明されている。