北大西洋条約機構(NATO)の抑止態勢および防衛態勢を定めるため、2012年5月のNATOシカゴ・サミットにおいて合意された文書。特にヨーロッパに配備されたアメリカの核兵器の撤去の可能性やロシアとの核兵器削減交渉が議論されたが、核兵器はNATOの抑止・防衛能力全体の中核的要素であり、核兵器が存在する限りNATOは核同盟であり続けるとの基本的立場の継続が確認された。また非戦略核兵器の削減についても、ロシアがNATOより多くの非戦略核兵器を保有しているため、ロシアの戦術核削減を考慮しつつ、ロシアによる相互的な措置との関連において、NATOは非戦略核兵器の削減を検討する用意があると述べている。またアメリカおよびイギリスは新たな消極的安全保証(NSA)を宣言していたが、それをNATOの政策とすることはできなかった。