締約国の航空企業の乗り入れや第三国に向かうこと(以遠権)などの運送条件を、締約国間で認め合う条約。第二次世界大戦後各国で商業航空活動が本格化するのを見越して、1944年にシカゴ条約(→「領空」)が締結され、国際民間航空機関(ICAO)が設立された。条約締約国の民間航空機は原則として他の締約国の領空内の飛行を許されるが、定期国際航空業務については、別に国際航空業務通過協定と国際航空運送協定が成立して、空の自由化がはかられた。無着陸通過と運輸目的外の着陸の自由を定めた前者は多くの締約国を得たが、旅客・貨物の積み込みや積み降ろしの自由を認める後者は普及しなかった。従って多数国間条約による定期国際航空業務の規律は不成功に終わり、二国間で航空協定を結ぶ必要が生じている。モデルとされたのが英米間のバミューダ協定で、日本の初期の航空協定もこれとほぼ同じ内容であったが、日米間の航空協定はアメリカに有利な状態である。