条約による拘束に対する同意の代表的な表明方法で、他に署名・加入・受諾・承認・条約構成文書の交換によって表明される。かつては代表者が権限を逸脱した場合などしか拒否できないとされていたが、外交関係に対する民主的なコントロールの必要から、現在では自由な判断に基づく。日本では条約の批准は内閣の権限で、事前または事後の国会の承認を経て天皇の認証を受けた上で批准書を送付すると憲法に定められる。二国間条約では批准書の交換、多数国間条約の場合は代表国または国際機関への批准書の寄託により、条文中にあらかじめ定められた条件を満たした段階で条約は発効する。1996年の包括的核実験禁止条約(CTBT)や97年の京都議定書に対するアメリカのような明確な批准拒否とは別に、批准遅延という現象も近年問題とされている。議会が国内問題の処理に追われて条約の批准にまで手が回らないことや、国連海洋法条約のように内容への反対が原因と見られる。