外交関係を規律する最も基本的な多数国間条約で、その多くは既存の国際慣習法を明文化したもの。1961年4月にウィーン外交会議で採択され、64年4月に発効。日本は同年に批准。外交使節団は、使節団の長(大使・公使・代理公使)と外交職員、いわゆる外交官や、事務・技術職員、役務職員などで構成される。使節団の長の派遣に際して、派遣国は、接受国(赴任先の国)へ事前に通告し、アグレマン(同意)を得なければならない。一方、接受国は、大使館など公館への侵入・損壊を防止するための措置をとる義務を負う。外交官に認められている特権・免除には次のようなものがある。(1)身体、住居、文書、通信、財産の不可侵、(2)接受国の刑事裁判権および一部を除く民事裁判権と行政裁判権からの免除、(3)通信、移動、旅行の自由、(4)公的役務、課税、社会保障規程からの免除。これら特権・免除を享有する者は、接受国の法令を尊重し、国内問題に介入しない義務を負う。また、接受国は、理由を示すことなく、いつでも派遣国に対して、外交官がペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物)であることを通告でき、通告を受けた派遣国は対象者を召還あるいは任務を終了させなければならない。2015年3月現在、締約国数は190カ国。