国際連合(国連 UN)など国際機構の事務局で働く職員の総称で、政治的中立性と機構への忠誠が求められる。国連の場合、国連職員とも呼ばれる。採用と昇進・配置に関しては、本人の資質(能力、能率、誠実)のほかに地理的配分が考慮され、職員の構成が特定の国や地域にかたよることがないように配慮される。しかし最近は地理的配分の原則の形式的な適用により、能力主義を無視しているとの批判もある。また、地理的配分に服するポストに1年以上の任期で就いている日本人専門職員の望ましい数は、国連経費の分担率や人口などに基づけば、181~245人とされるが、実際には2013年6月末現在88人と半分にも満たず、このポストの3%にすぎない。一時、オイル・フォー・フード(石油・食料交換)計画(イラク)における不正疑惑や、PKO要員による性的犯罪や略奪など、国連関係者による不祥事が報道され、批判が高まった。しかし、その後、事務局内に倫理局を設置し、人権の主流化を図るなどして、状況は改善している。実際、多くの国際公務員は、自己や自国の利害を離れ、国際社会のために献身的に活動している。