非政府組織、非政府機構、民間(非政府)団体などとも呼ばれる。NGOは、今日の国際社会の特徴の一つである行為主体の多様化の顕著な例である。開発、人権、人道、環境、軍縮、文化、スポーツなど様々な分野で国際的な活動を行っており、その貢献と影響は無視できない。NGOの数は増え続けており、国際連合(国連 UN)などの国際機構と連携・協力を行う関係にあるものも多い。国連は憲章71条によってNGOとの協力について定め、1996年には経済社会理事会(経社理)が協議取極(とりきめ)決議を採択し、国連がNGOのもつ専門的知識・能力に基づく情報・助言を得ること、および経社理とその下部機関において、各専門分野で見解を反映することを目的に、一定の資格要件を満たすNGOに経社理および関連専門機関との協議資格を与えている(国連NGO協議制度)。この取り決めによる協議上の地位をもつNGOは3536ある(2011年11月現在)。その地位は、全般的協議資格をもつ一般協議的地位、部分的協議資格をもつ特別協議的地位、そのつど協議資格を認められるロスター級の三つに分けられ、その数はそれぞれ144、2403、984となっている。いずれのカテゴリーのNGOも、国連事務局の関係部署の職員と協議すること、事務局の依頼を受けて特別研究を行い報告書を作成すること、国連文書を入手すること、国連図書館・会議場などの利用上の便宜提供を受けることができる。NGOは近年、「市民社会」(civil society)または「市民社会組織」(civil society organization)と呼ばれることも多い。04年6月にアナン事務総長(当時)に提出された「国連と市民社会の関係に関する有識者パネル」の報告書によると、市民社会はNGO、労働組合、社会運動を含む市民の連合体を指すが、企業やロビー団体は含まないとされる。