国際法上犯罪とされている行為で、海賊、麻薬取引、航空機ハイジャック、奴隷取引などがこれに当たる。第二次世界大戦後の国際軍事法廷で日本やドイツの戦争責任者が平和に対する罪や人道に対する罪、戦時国際法違反などで訴追されたが、これらの罪も国際犯罪にあたる。その後、ジェノサイド(集団殺害)罪、アパルトヘイト罪なども国際犯罪とされるようになった。1993年、安全保障理事会(安保理)は、決議827により、領域的・時間的に限定されてはいるが、旧ユーゴスラビア地域における国際人道法違反者に対して刑事責任を追及するアドホックな国際刑事裁判所(ハーグ)を補助機関として設置した。また94年には決議955によってルワンダについても同種の裁判所を設置した。2002年には、ローマ規程(1998年)に基づいて常設の国際刑事裁判所(ICC)が設立された。国際テロ行為やハイジャックについても、国連は、これらの行為を国際犯罪として取り締まるための条約を採択している。