消耗戦とは、敵軍の物的交戦能力(兵員、装備、施設等)を殺傷・破壊することによって敵を疲弊させ、降伏や政治的解決を強制することを狙った戦い。第一次世界大戦以来、火力が消耗戦遂行の主要手段であった。消耗戦の成否は、殺傷・破壊から立ち直る敵の能力と、将兵を動員し、装備を生産する能力に左右される。機動戦は、敵軍の精神的な交戦能力(指揮・統制能力、団結心、士気等)を無力化することによって敵を敗退させ、降伏や政治的解決を強要することを狙った戦い。これは、殺傷・破壊それ自体が目標ではなく、殺傷・破壊の「脅威」を作り出し、その「脅威」によって敵の態度・意思に影響をもたらそうとするものである。このため急襲や奇襲によって、敵を恐怖、不安、驚愕に陥れる。第二次世界大戦におけるドイツ軍の「電撃戦」やイラク戦争における米軍の「衝撃と恐怖」作戦が代表的事例。軍事革命(RMA)が起こると、機動戦方式が重視されるようになるといわれる。