「文民優位(civilian supremacy)」ともいう。狭義には、「文民」すなわち政治家が「軍隊に関する最高指揮権」を持ち、これを統制すること。軍人を「戦闘に勝利するため、一般国民とは異なる価値・態度を追求する人々」ととらえ、その独断・暴走を抑制すべきであるという考えからきている。広義には、政治的考慮が「戦闘に勝利するための考慮」よりも優位にあることを指す。この解釈の前提として、政治家も軍人も共に政治的・軍事的見識を持たなければならない、という考えが存在する。この広義の解釈は、ポスト冷戦時代になって、政治家も軍人も軍事行動(「戦争以外の軍事行動」を含む)を遂行するにあたり政治的要素を優先的に考慮することに拡大されている。