アメリカ空軍大佐ジョン・ボイド(John Boyd)が1987年に説いた意思決定論で、米軍のみならず、ビジネス界にも大きな影響を及ぼした。従来の意思決定論は、直線・一方向的な思考過程であって、圧倒的火力による消耗戦を戦うには適していた。しかし、彼の意思決定論は、Observe-Orient-Decide-Act-Observeのサイクルを描く。狙いは、相手よりも速くこのループを回転させることによって、相手の状況判断を混乱させ、奇襲を達成することにある。Observe(観察)とは、情報を収集・処理することを、Orient(状況判断)とは、評価した情報をもとに妥当な行動方針を見いだすことを、Decide(決定)とは、見いだした行動方針を実行に移す決断を下し、命令を出すことを、Act(行動)とは、部下が命令に従って実行する様子を監督・指導・評価することをいう。