軍事行動による物理的・心理的・機能的「影響」を重視する米空軍の作戦ドクトリン。湾岸戦争以降、通常戦のみならず、非通常戦(対テロ・ゲリラ戦)、戦争以外の軍事行動(MOOTW)をも遂行するために開発された。「影響」には、目的達成に好ましい影響のほか、友軍の犠牲や民間の被害といった好ましくない影響も含まれる。従来の考え方は、敵に屈服を強制するため、敵撃破を目標に掲げ、これを達成するための手段・要領を重視する目標ベース型作戦(OBO ; Objectives Based Operations)方式。EBOでは、敵に妥協や屈服を説得するため、撃破するよりも、敵のマインドに影響を及ぼし、その態度・意思を変えさせることを追求する。このため、軍隊は物理的な殺傷・破壊手段のみならず、政治・経済・社会・情報手段を駆使する。米軍のコソボ作戦、アフガン作戦、イラク作戦は、このドクトリンをもとに実施された。しかし、2007年、当時の統合部隊軍(JFC)司令官は、このドクトリンを廃止する覚書を発表した。