旧日本軍の海軍陸戦隊に当たり、ロシアでは海軍歩兵と呼称される。多くの国では海軍に所属し、歩兵部隊の役割を担う。ただし、アメリカ海兵隊のように装備調達や人事など管理面では海軍に属するが、作戦面では海軍から独立し、陸海空軍と並び4軍の一つとなっているもの、さらにはフランス海兵隊のように、海軍と陸軍にそれぞれ所属するものもある。その能力は多岐にわたり、しかも状況適応性に長けることから、海上からの戦闘機能の投入や、不確実な状況下での行動に使用される。半面、長期に戦闘を継続する能力に劣っているため、本格的な戦闘は陸軍に委ねるのが原則である。したがって、世界最大の外征専門部隊であるアメリカ海兵隊も、伝統的には着上陸作戦や海外への緊急展開作戦を担う部隊として使用されてきた。しかし、冷戦以降はイラクやアフガニスタンのような戦闘地域で、長期にわたる多様な任務に従事している。その装備はヘリコプターのほか、戦闘機や地上攻撃機等独自の航空部隊を保有し、他軍に依存せず航空支援任務を実施できる。また、地上戦用装備として、水陸両用強襲車や陸軍と同様の主力戦車も保有している。戦闘艦は保有しないが、独自の物資輸送船を保有する。(→「海兵遠征旅団(MEB)」)