イスラエル国防軍のシモン・ナヴェー准将が1990年代中頃から主唱している作戦レベルの部隊運用理論。米陸軍と海兵隊はイラク・アフガン紛争の教訓をもとに、この運用理論を進化させた作戦デザイン(operational design)を開発した。SODは影響ベース型作戦(EBO)と同様、システム思考(システミック・アプローチ)にもとづく概念であるが、EBOのようにクローズ・システムではなく、オープン・システムに焦点を当てる。その狙いは、相手の編成・組織・指揮・統制を混乱・まひさせ、その戦闘能力を一時的に低下させることにある。主要な特徴は、(1)作戦に関するデザイン(問題設定)と計画策定(問題解決)の峻別、(2)付与される戦略指針の問題点の明確化、(3)作戦の構成要素間の相互作用とその作戦全体に及ぼす影響の明確化、(4)望ましい作戦目標の暫定的な設定、(5)異論を重視する討議方式による「学習」と「再枠付け」の重視。