韓国の金大中大統領と、北朝鮮の金正日国防委員会委員長による、分断後初めての南北首脳会談は、2000年6月13日から15日まで平壌で行われた。1998年2月に就任した金大中大統領は北朝鮮に柔軟な姿勢で臨み、経済援助もできるだけ実施するという方針を打ち出した。2000年はじめから南北首脳会談の実現に積極的に取り組み、3月には北朝鮮のインフラ整備に韓国が積極的に協力する用意を明らかにした(「ベルリン宣言」)。その後、南北当局者による秘密接触を経て、4月8日に南北首脳会談を開催するとの合意書が発表された(「4・8合意書」)。南北首脳会談では、6月15日付で南北共同宣言が発表された。この宣言は、(1)統一問題を民族同士が自主的に解決すること。(2)北側の「低い段階の連邦制」案と南側の「連合制」案に共通性があることを認め、この方向で統一を目指すこと。(3)00年8月15日に離散家族・親族の訪問団を交換し、非転向長期囚送還などの人道的問題を解決すること。(4)経済協力を通じて民族経済を均衡的に発展させ、協力と交流を活性化し相互信頼を固めること。(5)以上の合意事項を実践に移すため、当局間対話を早期に開催することがうたわれ、金正日国防委員長が「適切な時期に」ソウルを訪問することも盛り込まれたが、実現はみていない。(→「南北首脳会談(2007年)」)