竹島は、北緯37度14分東経131度52分の日本海上に位置する群島であり、韓国では独島(ドクト)と呼ばれるが、この島の領有権をめぐる日韓両国間の争い。韓国政府の立場は、歴史的に見ても独島は韓国固有の領土であり、したがって、第二次世界大戦後、日本が朝鮮を植民地として放棄した結果、当然のごとく韓国の領土になったというものである。それに対して、日本政府の立場は、歴史的にも竹島は日本固有の領土であり、1905年の閣議決定により島根県に編入し、日本の領土である意思を明確にしただけでなく、第二次世界大戦後、サンフランシスコ講和条約でも、竹島の返還が明記されなかったことも、日本の領有の継続を意味するというものである。竹島(独島)は、52年「李承晩ライン」設定以来、現在に至るまで韓国が占有する状態が続いている。日韓国交正常化交渉において、竹島(独島)の領有権問題も争点にはなったが、それを棚上げにする形で、国交が正常化された。その後、韓国の事実上の占有が続く状況の中、日本政府は国際司法裁判所への提訴による解決を主張してきたが、韓国政府は、「独島はわが領土」という徹底した教育を行ってきたこともあり、領土問題自体が存在しないという立場である。韓国では、盧武鉉政権以後、竹島(独島)問題を歴史問題の一環として位置づけ、日本が竹島(独島)の領有権を主張することは、過去の日本の侵略や植民地支配の歴史を反省していないことの現れだとみなすようになった。その結果、2005年の島根県による「竹島の日」条例の制定などに対して盧武鉉政権は「外交戦争も辞さず」という強硬な表現で抗議の意思を示した。12年8月10日には、李明博(イ・ミョンバク)大統領が現職として初めて竹島(独島)に上陸した。それによって、この問題をめぐる日韓の緊張が激化し、日本政府は韓国政府の同意なくしても、国際司法裁判所にこの問題を提訴するという姿勢を明確にした。同年12月に成立した安倍晋三自民党政権は、13年2月22日の「竹島の日」を政府主催行事に格上げすることを公約として掲げたが、日韓関係の悪化回避を優先させてとりあえずは取り下げた。