中朝国境を流れる鴨緑江の中州の島、黄金坪島(ファングムピョンド)・威化島(ウィファド)における中朝経済協力地帯。黄金坪島(約11平方キロ)・威化島(約12平方キロ)は北朝鮮の新義州と中国の丹東に挟まれた地域である。2010年5月以後、金正日(キム・ジョンイル)が4度も訪中するなど、中朝関係の緊密化が顕著になったが、それを背景として、中朝経済協力の目玉として11年6月に北朝鮮が経済地帯の設置を発表し、工業団地の造成が着工された。中国資本と北朝鮮の安価な労働力を組み合わせることで、北朝鮮は外資導入による経済再建のテコにしようと考え、中国も中国流の改革開放を北朝鮮に導入するきっかけにすることを考える。ただし、北朝鮮は依然として改革開放には警戒的であり、自由な企業活動の保証と100年賃貸を求める中国側と、あくまで北朝鮮の主権を行使し、北朝鮮の法律を適用する開城工業団地をモデルとして50年賃貸を考える北朝鮮との間で、事業をめぐる思惑の違いが見られる。