食糧を始めとして北朝鮮の消費物資の不足は深刻であり、洪水などの自然災害があった場合などは、緊急援助は必須である。しかし、援助主体から見ると、援助物資が人民にではなく軍に支給されていると危惧する。したがって人道主義的な見地からの支援も政治的な考慮なしに考えられず、人道支援が関係進展のきっかけになることもある。2008年アメリカは北朝鮮との間に50万トンの食糧支援に合意したが、北朝鮮の核開発を理由に中断しており、10年6者協議の再開を見据え人道支援をめぐる米朝協議が再開された。ただ、配給などに振り向けるための食糧を要求する北朝鮮とビタミン剤支援を提案するアメリカとの間で援助内容や監視体制をめぐる対立が続く。韓国も10年に入り、民間団体や赤十字による人道支援を認め、さらに延坪島砲撃事件以後中断されていた政府の人道支援もWHO(世界保健機関)を通して再開した。