北朝鮮を脱出して直接もしくは第三国を通して韓国に来た人たちに関連した諸問題。北朝鮮からの脱出者は当初は「帰順者」と呼ばれたが、1990年代の半ば以降は「脱北者」が一般的になった。一時期「セト民(新しい土地に定着し生への希望を持ちながら生活する人々)」という用語が使用されたこともあったが、現在は再び脱北者が使われている。2007年に累計1万人を超え、わずか3年後の10年末には累計2万人を超えたように、脱北者は急増している。脱北者は韓国当局の身元調査を終えた後、ハナ院(ハナは一つの意味)という専用施設で約3カ月間韓国での生活に必要な基本的な教育を受けた後、定着金を供与されて韓国での社会生活を営むことになる。成功者もいるが、北朝鮮での資格が通用しないということもあり、韓国での社会生活への適応が困難な場合が多い。金正恩体制になって脱北者への取り締まりが厳しくなっており、従来最も多かった中国経由の脱北者に対する中朝両国の取り締まりが強化されている。