1948年2月、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)建国の直前に創建された北朝鮮の国軍である。ただし、78年以降は、32年に創建された朝鮮人民革命軍にまで、その起源がさかのぼるとして歴史の書き換えが行われている。朝鮮戦争では金日成(キム・イルソン)が最高司令官として朝鮮人民軍を指揮した。朝鮮労働党中央軍事委員会を中心として党による統制を受けることになっているが、金正日(キム・ジョンイル)体制下の「先軍政治」によって党に比較して軍の位相が高まったと見られた。しかし、金正恩(キム・ジョンウン)体制への移行後、元来、軍人ではなかった崔龍海(チェ・リョンヘ)を人民軍総政治局長に任命するなどして、軍に対する党の指導の回復を図っていると見られる。現在は、最高司令官には、朝鮮労働党第一書記の金正恩が就任し、党中央軍事委員会委員長、国防委員会第一委員長を兼ねている。陸海空の3軍からなり、兵力としては100万人を超える規模を誇るが、装備はかなり老朽化している。老朽化した通常戦力の限界を突破するために、核ミサイル開発に取り組んでいると見られる。