政敵や体制に対する敵対分子などの政治犯、およびその家族を、隔離し集団的に収容して、再教育を行ったり徹底的な管理下に置いたりするための施設。1956年に最初に置かれた。その後、金正日(キム・ジョンイル)後継体制への移行期には、世襲制への批判を封じ込めるために批判者を収容したと言われる。その後、韓国に亡命する脱北者の増加とともに、脱北行為を抑制するために、脱北者家族や脱北の失敗者を収容する事例が増大している。現在、15万人余りの政治犯が6カ所の収容所に収監されていることが知られているが、北朝鮮はこの事実を否定している。収容者は、炭鉱や鉱山などでの1日12時間以上の重労働を強いられており、その後は自己批判など思想改造学習を受けなければならない。北朝鮮の人権弾圧を象徴する存在として、国連など国際社会からの批判が強まり、その実態解明と縮小が求められているが、北朝鮮の現体制を維持するために構造的に組み込まれた存在であるために、北朝鮮自らがそれに従うことは難しい。