2013年2月12日に金正恩(キム・ジョンウン)政権により断行された3回目の核実験。12年12月のミサイル発射に対して国連安全保障理事会による制裁決議がなされたが、それに対する対抗措置として、前2回の核実験とは異なり執拗な予告つきで行われた。核兵器の小型化、実用化をねらって行われたと推測される。従来北朝鮮は、朝鮮半島の非核化のために核保有が必要という論理を掲げていた。しかし今回、核保有は国家として当然の自衛の権利の行使であると、核保有国であることを前提とする攻勢的姿勢への変化が見られた。アメリカの対応いかんにかかわらず核保有を既成事実化し、そのうえで対等な立場でアメリカとの交渉に臨むという姿勢への変化が見られる。また、過去の2回とは異なり中国の執拗な制止があったにもかかわらず核実験に踏み切ったため、北朝鮮に対する中国の影響力の限界を示すものとなった。ところが、これを契機に北朝鮮に対する中国の圧力が本格化し、13年5月以降、北朝鮮は対話局面に転換することを余儀なくされた。