2016年1月6日に実施された北朝鮮4回目の核実験。06年10月、09年5月、13年2月に続く核実験で、金正恩(キム・ジョンウン)体制下では2回目。初めて水爆実験に成功したと北朝鮮は主張するが、爆発規模が小さいことなどから懐疑的な見方も提起される。第2回目の実験までは寛大に対応した中国にとっては、事前の通告もなく自らの制止を無視して行われただけに、その衝撃は従来以上に大きい。また、その渦中、北朝鮮は16年2月7日にミサイル発射を断行するなど、さらに緊張を高める行為に踏み出した。約1カ月後、従来のどの決議よりも実効性の高い国連安保理の制裁決議が採択された。中国は北朝鮮経済の根幹であるエネルギーと食糧を供給するだけに、どの程度の実効的な制裁を履行するのか、国際社会の耳目が集まる。金正恩体制としては、16年5月に36年ぶりに開催を予定する第7回朝鮮労働党大会に向けて、国威を発揚し団結を強化するねらいがあると思われる。また、アメリカに対して、核およびミサイル技術の進展を誇示し、対米圧力をさらに高めることで米朝対話を引き出すねらいもある。韓国は、核実験が15年に結ばれた8・25南北合意に違反すると主張し、対抗措置として軍事境界線付近での対北朝鮮非難放送の再開に踏み切っただけでなく、ほぼ唯一の南北協力事業であった開城工業団地の封鎖にも踏み切り、朴槿恵政権は北朝鮮の「体制変革(レジームチェンジ)」の可能性も視野に入れている。