1965年、日韓国交正常化当時の日本と韓国の人的往来は1年に1万人の規模であった。それが、2017年には約900万人が往来して、約50年で900倍になったことになる。それだけ日韓が相互にとって身近なものになったわけである。ただし、その内訳を見ると訪日韓国人が700万人であるのに対して訪韓日本人はその約3分の1であり、かなり不均衡である。しかも、日本の人口は韓国の約2.5倍なので、人口比ではこの不均衡はより一層顕著である。従来、日本の人口の方が多いということもあり、13年まではほぼ恒常的に訪韓日本人が訪日韓国人を上回っていた。しかし、それ以後、訪日韓国人が急増するのに対して、訪韓日本人は12年の350万人をピークとして減少し、近年は年間200万人台を推移する程度にとどまる。また、文化交流に関しても、2000年を前後する時期、映画や音楽などの分野での韓国文化の流入が本格化し、「韓流」が社会現象になった。しかし、2000年代半ば以降、歴史問題などに起因した日韓関係の緊張が持続する中、少なくとも他国との比較では日本における「韓流」は停滞気味である。日本文化の受容が比較的順調な韓国とは対照的であり、日韓の政治関係の悪化が相当程度日本人の対韓認識に影響を及ぼし、それが「韓流」の受容にも悪影響を及ぼしているのではないかと推察される。