改革開放期に入り、トップから末端に至る広範囲で幹部の腐敗が目立ち深刻化していった。1980年代の役人ブローカー(官倒)の横行、90年代以降の陳希同失脚事件(95年。北京市党書記・中央政治局員)、史上最大規模の脱税・汚職といわれたアモイ遠華公司事件(99年)、上海汚職事件(同市のトップ陳良宇の40億円を超える不正蓄財発覚による失脚で、江沢民派が一掃された2006~08年の事件)など、大型汚職事件は後を絶たない。しかも「官商階層」と呼ばれるほどに役人と商人の癒着は構造的で、特に国有企業の株式化の過程で国家資産が不当に大量流出し、当局の頭痛の種となっている。06年3月の全国人民代表大会(全人代)中に、胡錦濤は「八栄八辱」(刻苦奮闘/ぜいたく淫乱など八つの栄誉と恥辱)を提起し、市場経済化の中での腐敗やモラルの低下に歯止めをかける姿勢を示した。検察院報告などによれば、ここ数年の悪化傾向は顕著で、官僚腐敗は深刻である。