中国は広大な領土を抱え、地形、水量、気候などの自然環境、人口分布など基本的に大きな差異が見られる。毛沢東時代は、都市と農村、労働者と農民、精神労働と肉体労働の格差の撤廃を目指した。しかしトウ小平時代は「先富論」のような格差是認方式が出され、発展条件のある地域や人々の積極的な経済活動によって貧しい地域や人々との格差は拡大し、社会問題となってきた。地域格差として、東部と西部、都市と農村が重大である。東部と西部では、2000年にはわずか14%の国土の東部が60%のGDP(国内総生産)を生産しているのに対し、57%の国土の西部は14%のGDPしか生産できず、新中国成立直後の格差は30%だったのが1990年代末には60%に拡大している。都市と農村の所得格差は近年再び拡大傾向にある。また個人のレベルでは、土地・家・マイカーを求める富裕層と、日々の暮らしがやっとの一般労働者・農民、さらには都市に流入した労働者、農村の貧困層などとの格差は資本主義社会以上に大きい。格差解消を目指して現政権が「和諧社会」の建設、新農村建設を呼びかけている。