2016年10月、中国共産党第18期中央委員会第6回全体会議が開かれ、終了後のコミュニケでは「習近平総書記は率先して党の管理強化を全面的に推し進め、党内政治を浄化し、民心を獲得した」として、その指導力をアピールし、習近平を「党中央の核心」と位置付けた。最高指導者を「核心」と呼ぶのはこれまで毛沢東、トウ小平、江沢民の3氏にしか用いられておらず、重みを持った表現である。もっとも同コミュニケは、同時に「集団指導体制は常に守られるべきで、いかなる状況、いかなる理由においても、どのような組織や個人によっても破られるべきではない」とその重要性を強調し、習近平の個人崇拝化にブレーキをかけている。「核心」という言葉は中国では極めて重要な意味を持っている。建国期に毛沢東らによってしばしば「共産党は中国革命の核心である」と強調された。また「核心的利益」とは、中国当局が自国の本質的な利益に直結すると見なし、自国を維持するために必要と見なす、譲ることの出来ない最重要の事柄、自国にとっての最優先利益のことを指し、社会主義体制、チベット、台湾問題など、近年では南シナ海、東シナ海の領土領海問題を核心問題と主張している。