アジアとヨーロッパが経済、政治、文化面などでの協力関係を話し合うための会合。ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国に、日中韓やインドなどを加えたアジア16カ国とEU(欧州連合)27カ国、欧州委員会、ASEAN事務局で構成される。1996年にバンコクで第1回首脳会議を開き、自由貿易の推進、メコン開発(→「メコン川流域開発計画」)協力、アジア欧州基金の設置などで合意した。ASEANはヨーロッパとの協力強化による経済発展とともに、APEC(アジア太平洋経済協力会議)を通じたアメリカのアジアへの経済的影響力の増大をけん制することを期待、一方、EU諸国は高度成長を続けるアジア市場への参入によって低迷する経済を打開する狙いがあった。会議はかつての宗主国と植民地(タイを除く)が半世紀をへて対等な立場で連携を深められるようになったという歴史的な意味でも注目された。首脳会議は2年ごとに開催され、2010年10月のベルギーでの第8回首脳会議は、アジアとヨーロッパ各国の景気回復の強化に向けた協調や国際通貨基金(IMF)改革による新興国の発言力強化などで合意した。