インドネシアから独立して2002年5月に誕生した21世紀初の独立国。人口115万人。12年末に国連平和維持活動(PKO)として駐在していた「国連東ティモール統合支援団(UNMIT)」も撤退して、独立10年目で国家としての独り立ちの道を歩みだした。ポルトガルが16世紀以来の領有権を放棄した翌1975年、東ティモール独立革命戦線(フレティリン)が独立を宣言したが、インドネシアは独立を認めず武力併合した。インドネシアのスハルト体制が崩壊したことを機に、自治権付与か独立かを問う住民投票が99年に国連管理下で行われた。独立賛成が圧倒的多数を占めたが、インドネシア国軍の支援を受けた反対派民兵による騒乱が起きた。国連安保理決議に基づいて多国籍軍が展開され、インドネシアは併合を撤回した。2001年の制憲議会選挙でフレティリンが第1党となり、02年の大統領選で独立運動指導者シャナナ・グスマンが当選、首相はフレティリンのマリ・アルカティリが就任した。同5月に独立を達成した。経済は平均成長率が約12.3%と好調で、(1)石油収入への依存から脱却し、経済の多角化を図る、(2)持続可能かつ均衡ある成長を目指す、(3)国民1人当たりのGDPを6000ドルへ増加させて中所得国へ移行する、などを目標にしている。(→「グスマン政権」)