冷戦さなかの1955年、アジア・アフリカの指導者がインドネシアのバンドンに集まり民族自決などを訴えて、第三世界の独立運動を勢いづけた会議。2015年4月、同会議の60周年記念式典がバンドンで開かれ、インドネシアのジョコ大統領(→「ジョコ政権」)や中国の習近平国家主席など各国首脳が参加した。バンドン会議は、当時のスカルノ・インドネシア大統領や周恩来・中国首相が中心となり、アラブ民族主義を代表したナセル・エジプト首相(のちに大統領)ら29カ国が参加。インドのネルー首相と周首相が唱えた(1)領土と主権の相互尊重、(2)相互不可侵、(3)内政不干渉、(4)平等互恵、(5)平和共存の5項目から成る「平和五原則」をもとに、帝国主義や植民地支配に反対し、イデオロギー対立を超えた平和共存を目指す「バンドン十原則」を宣言。基本的人権や国連憲章の尊重、すべての人類とすべての国の平等などを盛り込み、東西陣営が激しく対立していた当時、第三世界の存在を国際社会にアピールした。その精神は、その後も非同盟運動(NAM)に引き継がれた。式典に参加した中国の習主席は演説で、陸と海のシルクロード周辺諸国で開発を進めようという新たな戦略「一帯一路」を強調し、各国の協力を呼びかけた。また、期間中日本の安倍首相とも会談して日中関係の修復にも意欲を示した。