ミャンマー政府は2014年春、民主化して初めてとなる国勢調査を実施した。同政府が15年5月に公表した結果によると、総人口は約5148万人で、平均年齢は27.1歳だった。軍事政権だった1983年に実施された前回調査では、人口は3544万2972人で、約30年間に約1600万人増加したことになる。しかし、同国の人口はこれまで約6000万人と推計されてきており、それに比べると1000万人近く少ないことがわかった。2011年以降の民主化の進展により、各地で抵抗していた少数民族勢力との停戦が進んだことで全国規模での調査が可能になった。人口などで正確な数字を確認できたことは、ミャンマーの内政が安定してきたことの象徴ともいえる。ただ、紛争が続く北部カチン州やイスラム系のロヒンギャ族が住むラカイン州などの一部では推計値にとどまった。また民族別、宗派別の人口については、「敏感な問題」として公表は先送りされた。