2018年8月までに実施されるマレーシア総選挙に、首相候補として92歳のマハティール・ビン・モハマド(Mahathir bin Mohamad)元首相が野党連合から立候補する。マハティールは22年間も首相を務めて2003年に引退。いったんは影響力を失ったと見られていた。だが、15年7月に政府系投資ファンドを巡るナジブ・ラザク首相(→「ナジブ政権(マレーシア)」)の汚職疑惑が報じられて以来、首相の退陣を求めて政治活動を再開。首相時代に解任した元ライバルのアンワル・ビン・イブラヒム(Anwar bin Ibrahim)元副首相兼蔵相と手を組んで、イスラム教では罪とされる同性愛行為に問われて服役中のアンワルに代わり、「野党連合」の顔として自らは首相候補、アンワルの妻ワンアジザを副首相候補として総選挙を戦う。もし、野党連合が勝利すればアンワルの恩赦を実現し、首相の座を譲るとしている。マハティールは16年に新党マレーシア統一プリブミ党を立ち上げたが、下院議員は1人。かつてのカリスマ的首相がどこまで国民の支持を集められるか注目される。